キングコング西野の「えんとつ町のプペル」のヒットはどこまで行くか―コンテンツの中身を公開することがコンテンツの宣伝になるという逆説
なぜか見栄を切るデブが面白すぎて…
(出典:http://spotlight-media.jp/article/370505056378315909)
自分で書いた。あんま似てない
キングコング西野さんの「えんとつ町のプペル」の、話題作りの手法が面白いなあ、と思ったので、僕が面白いと思った点を書こうと思います。(一つ注意!僕は話題作りの手法を面白いと言いましたが、この絵本「えんとつ町のプペル」自体はさほど好きでもなく、西野さんのファンでもないです。信者の西野アゲと思われると心外なので、念のため)
<概要をさらっと>
3か月前 お笑い芸人キングコング西野さんが、絵本「えんとつ町のプペル」出版。23万部を超えるベストセラーになる
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「2000円は高い。自分で買えない」というメッセージを小学生から西野さんがもらう(詳細→
キングコング 西野 公式ブログ - お金の奴隷解放宣言。 - Powered by LINE)
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1月19日 絵本全ページ無料公開を行う(全ページ公開→
大ヒット中の絵本『えんとつ町のプペル』を全ページ無料公開します(キンコン西野) - Spotlight (スポットライト))
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結果、amazonの売り上げが急激に伸びる(
キングコング 西野 公式ブログ - お金の奴隷解放宣言。 - Powered by LINE)
僕は、今回の絵本の売り上げ向上の経緯に非常に希望を持ちました。
全ページ無料公開の結果、amazonの売り上げが非常に伸びたということは、一度本の中身を把握した後でも、この本を買いたいと思った人が一定数いたということだと思います。(「非常に」が具体的にどれくらいなのかは、気になるところではありますが)
つまり、例え中身を知っていたとしても、自分が素晴らしいと思ったコンテンツには、その対価としてお金を払いたいと思う人が少なからずいたということです。
現在、日本では、コンテンツの中身が判別しているものの、お金を払う人はいない、あるいはかなり少ないという前提でコンテンツの周囲の環境は整備されていると思います。立ち読みを禁止する本屋さんや、著作権整備などがそうです。これは、コンテンツを「情報」として捉えるからだと僕は思っていて。人は一度知った情報にはお金を払わない、だから一度中身を知ったコンテンツに対しても人はお金を払わないはずだ、という考え方です。僕も、この、コンテンツの中身を購入前の人に対して極力制限しようという考え方は正しいと思いますし、必要だとも思います。
ただ、少し寂しい思いもぬぐえません。
僕自身は、マンガ雑誌をよく立ち読みしますが、面白いと思った作品は一度読んだ後もコミックスを買います。なぜなら、自分の手元に持っておきたいから。それに、コミックスの購入は、「私はこの作品を面白いと思ったよ」というメッセージを作者に送る手段だと僕は考えているからです。
僕は、このような気持ちが供給側にあまり信頼されていないなあとこれまで考えていました。
だから、今回、無料公開後に西野さんの本の売り上げが伸びたと聞いてとてもうれしかったのです。中身を知っていても、コンテンツを購入する人が僕以外にもたくさんいると知れたから。そして、供給側にも伝えられたと思うから。
そういう、善意を信じることができた、ということで希望を感じました。
また、今回の一連の流れを見て思ったのは、今後のコンテンツは、どうやって存在を認知させるかが勝負のポイントだな、ということ。
今回は、「全ページ無料公開」を打ち出すことによって話題作りに成功し、存在を広く認知させることができました。全ページ無料公開が出版物の宣伝として機能する=コンテンツの中身を公開することで、コンテンツの宣伝になるという逆説が面白いなあ、と思います。(あ、でもよく考えたら、マンガのドラマ化による売り上げ増とかアーティストのPVをyoutube先行配信もそれにあたるのか)
結論は、やっぱり西野さんは話題作りの天才だなあ。
…あれ、信者アゲっぽくなってしまった…